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【通信】ロシアはウクライナの通信を遮断できていない

ロシアはウクライナの通信を遮断できていない

侵略者が分散型の通信インフラを破壊するのは困難


ロシアの侵攻と都市破壊で気になるのはインフラ問題である。

 

近年、独裁的な政権は、1月にカザフスタンで起きたような反乱に直面すると、インターネット接続を遮断する動きを強めている。アフリカの多くの国でも、内戦や選挙が近づくと、インターネット接続の全面的または部分的な遮断が実施されている。

 

しかし、現在、ウクライナのインターネットは遮断されることなく、国民の日常生活や国の金融システムを支えている。また、ウクライナの市民レジスタンス、さらにはゼレンスキー大統領から一般市民まで、すべての人が外部とコミュニケーションすることが可能な状態になっている。

 

モバイルネットワークは接続の重みで苦戦しており、戦闘の激しい地域ではブロードバンドの停止が発生しているものの、特に主要な人口密集地では、依然としてインターネットにほぼ接続されている。ロシアの侵攻の影響をほとんど受けていないという

 

監視組織ネットブロックスのアルプ・トーカーは、「ウクライナは多様なインターネットインフラを持ち、チョークポイントが少ない。つまり、国の電源を切るのが難しく、集中的に破壊するスイッチがない」

 

もし、ロシアがウクライナのインターネットを遮断しようと思えば、インターネットの交換ポイントやデータセンターに物理的に侵入し、そのインフラを乗っ取る必要があるがうまくいっていない。

 

ウクライナの通信規制当局は、接続性を高めるため、携帯電話ネットワークに予備の無線周波数を一時的に解放し、サービスの混雑を緩和するようにした。

 

 

なお、インターネットを遮断することは、ウクライナ政権にとっては比較的容易である。政府は、認可を受けたインターネット・サービス・プロバイダーや電話会社にネットワークを停止するよう命令すればよいだけである。

 

逆に侵略者がインターネットを遮断することは難しい。分散型の商用通信インフラを停止させることは難しい。特に、モバイルネットワークとインターネットサービスプロバイダが停止協力を拒否した場合、インフラ破壊は失敗する。

 

トーカーは、ロシアのサイバー攻撃は、ウクライナの通信インフラの大部分を一時的に破壊する可能性があるが、比較的容易に軽減することができると述べている。

 

このため、ロシア軍がデータセンターに物理的に侵入し、機器を組織的に破壊するというシナリオも残されている。

 

また、テスラとスペースXのオーナーであるイーロン・マスクは、スターリンクと呼ばれる衛星インターネットシステムを開発しており、地球低軌道の衛星数千個を通じて信頼性の高いグローバルなブロードバンド接続を提供している。

 

スターリングは、ケーブル接続や光ファイバー接続を使う既存のシステムの代替となるサービスで、インターネットにほとんど、またはまったく接続できない遠隔地や、軍事行動や自然災害によって通信サービスが分断されているような地域で使用されることを想定したものである。

 

ウクライナ政府からの要請を受け、マスクはこれをキエフに送った。ただ、一般市民を助けるというよりは、重要な役人が独立してインターネットにアクセスできるようにするなど、戦略的に使われる可能性が高いといわれている。

 

マスクによれば「すでにウクライナでスターリングサービスは有効になっている」「さらに多くの端末を送る用意がある」という。

ウクライナに到着した「スターリンク」アンテナとみられる画像
ウクライナに到着した「スターリンク」アンテナとみられる画像
スターリンクのアンテナ
スターリンクのアンテナ